【介護予防コラム⑥】背中が曲がる「円背」。その対策とは?
レッツリハ!の利用者様から、「背中が曲がってしまった」という悩みをよくお聞きします。今回は、そんなお悩みにお答えして、予防・改善の方法についてお話します。
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円背とは
背中が曲がった状態は一般的には「猫背」と表現されますが、専門的に言うと「円背(えんぱい)」と言います。背骨は大きく分けて頸椎、胸椎、腰椎、仙骨から成り、そのうち胸椎の後弯(後方へのカーブ)が増大している状態です。
円背になると、どんな問題がある?
円背になると、立っている際に首が前に出る、骨盤が後ろに傾く、股関節や膝関節が曲がってしまうなど、全身に影響を及ぼしてしまいます。この姿勢だと、歩く際にすり足になりやすく、転倒する危険性が高くなります。また、内臓が圧迫されて食欲が落ちる、誤嚥しやすくなる、呼吸しにくくなるといった問題も出てきます。
なぜ円背になる?円背の原因について
高齢者における円背の原因は、骨粗鬆症による脊柱の変形、脊椎圧迫骨折、体幹の筋力低下などがあります。骨の変形による円背は改善が難しいのですが、筋力低下による円背(普段は背中が曲がっていても、意識すれば伸ばすことができる)は姿勢に気を付けたり運動したりすることによって予防・改善を図ることができます。
家で予防&改善!簡単にできる円背対策
【日常生活編】
・座る姿勢を改善する
天井から吊られているようなイメージで背中を伸ばして座りましょう。このとき、坐骨に体重をのせることがポイントです。座った状態でお尻の下に手を入れると、丸くて硬い坐骨に触れることができるので、確認してみてください。背もたれがある場合には椅子に深く座り、軽く寄りかかるようにしましょう。座る姿勢を改善するだけでも、体幹の筋力をつけることができます。
【運動編:1】
・座った状態で、腕を後ろへ引く
肘を90度程度曲げた状態で、腕を後ろへ引きます。肩甲骨を背中の中心へ寄せるように力を入れると、背中の筋肉をしっかりと使うことができます。
【運動編:2】
・うつ伏せで上体を反らす
床や硬めのベッドでうつ伏せになります。両肘をついて上体を反らしましょう。このとき、しっかりと背中や腰に力を入れることを意識してください。痛みがある場合は、無理に行わないようにしてください。
まとめ
「円背の原因」のところにも記載しましたが、筋力低下が原因の円背は予防・改善が可能です。今後円背にならないように、また今よりも円背がひどくならないように、ぜひ日々の生活に取り入れてみてくださいね!
今回の執筆者は…
レッツリハ!渡辺通
理学療法士 久保 希世子