【介護予防コラム㉑】運動不足解消&全身の筋力アップで一石二鳥。
お家での時間が長くなって、運動不足が気になる方も多いはず。
運動不足を解消し、全身の筋力もアップできる運動をご紹介します。とても簡単なのでぜひコツを覚えて実践してみてください!
Table of Contents
運動不足と全身の筋力アップに効果的な起立運動とは
正確には「起立着席運動」と言い、その名の通り「椅子からの立ち座り」のことを指します。コロナ禍で“コロナロコモ※1”を防ぐために、自宅でできる超簡単運動です。準備するものは椅子さえあればどこでもできるのがこの運動の一番の魅力!
運動不足を解消し、筋力アップを目指してみましょう。
※1コロナロコモは、新型コロナウイルスによる影響で、外出や運動機会が減り、体力が落ちたり、筋力が落ちたりして、運動器の問題(歩行障害や関節痛、転倒による骨折など)が生じてしまうことを指します。
起立運動は全身の運動に効果的
起立運動は、たくさんの筋肉に効果的です。
例えば、
- 顔を上げるときに使う頸部後筋
- 顔を下げるときに使う胸鎖乳突筋
- 肩こりや腰痛の為にも鍛えると良い脊柱起立筋
- 排便を助ける腹直筋
- 膝を伸ばす大腿直筋
- 膝を曲げる大腿二頭筋
- 足首を曲げる前脛骨筋
- 足首を下げる腓腹筋
これだけ多くの筋肉を使用しています!
それだけでなく、注目すべきはこの筋肉の使用具合いです。
上に挙げた筋肉の使用具合を「座り」「立ち」「歩く」「階段昇降※2」「起立運動」の5つの運動で比べた下の図をご覧ください。
※2階段昇降は20cmの台を上り下りした状態が反映されています
いかがでしょうか?
ご覧の通り他の運動と比べて、全身の筋肉がより大きく使われているのがわかります。運動不足にとても効きそうですよね。
起立運動は何回行えば効果がある?
起立運動がとても効率の良い全身運動だということがわかりました。それではこの運動を1日にどれくらいすればいいのでしょうか?
脳梗塞の方91名(平均年齢72歳)を対象に起立運動を実施したところ、1日に39.3回、およそ40回の起立運動を行った方は筋肉量が維持または増加していたということでした。
1日に40回を目安にこの運動を行うようにしましょう!
起立運動の正しい行い方
せっかく運動するなら正しい動かし方で効率良く全身に効かせたいですよね。起立運動の正しい姿勢を画像とともにまとめました。この動きや姿勢を真似して、無理することなく筋力アップ効果を実感していきましょう!
より健康な未来のために、Let’s起立!
気軽に運動不足解消ができて筋力アップになる運動として紹介してきた起立運動ですが、実はもう一つとても良い点があります! それは、椅子を使うので当然かもしれませんが、すぐに休めること。すぐに休むことができると「またやってみてもいいかな」と思えますよね。それはケガの予防や自分に合った運動の仕方を見つけることにもなりますね。
運動によって使われる筋肉や得られる効果はさまざまです。ご自宅で簡単にできる運動を、少しずつ続けてより良い健康な未来を目指してみませんか。
Let’s起立!
今回の執筆者は…
レッツリハ!健軍店
理学療法士 古庄諒大
参考文献
三好正堂著 間違いだらけのリハビリテーション