【介護予防コラム㉜】心と体の健康に!腸を整える4つの習慣
夏も本番となり暑い日が続いていますね。冷たい食べ物や室温の変化からおなかの調子を崩していませんか?腸は「第二の脳」と呼ばれ、ストレスなどの影響を特に受けやすい器官です。体の健康はもちろん、心の健康にも腸は影響します。今回はそんな腸の状態を整えて、心と体を健康にする習慣をお伝えしていきます。
Table of Contents
腸の仕組みと働き
腸の仕組み
腸の構造は小腸と大腸に分けられます。日本人の平均的な腸の内部の総面積は約32㎡もあり、これはテニスコート1面分に相当する広さです。その広大な表面積を活かし栄養素を効率良く消化・吸収しています。
腸の働き(消化・吸収)
食べ物は胃液によって溶かされ小腸へ運ばれます。小腸は栄養素の消化・吸収の仕上げを行う器官です。大腸は小腸で消化・吸収された残滓を処理します。腸内細菌による食物繊維の発酵や、一部の栄養素を吸収し、水分吸収をコントロールして便を作成。この時、大腸で滞在時間が長くなると水分の吸収が進んで硬便になり、短いと軟便になります。
腸の働き(脳と体の関連性)
腸には「腸管神経」と呼ばれる神経があり、この神経を通して脳と腸、双方のネットワークでやりとりを行います。これにより脳からの一方通行の情報だけでなく腸からのメッセージも脳に発信することができるのです。腸のコントロールは脳が支配しているのではなく腸自ら判断を下す機能を持ち、腸内の状態によってその情報が脳へと伝えられ、そこからカラダのあらゆる機関に影響を及ぼすと言われています。
最近の研究で、自閉症やうつ病と腸内細菌に関係があるという報告があります。私たちが脳で幸せを感じるもとになる「幸せ物質」のセロトニンは、腸管で作られており、セロトニンが脳内で正常に作用するとヒトは前向きな気持ちを保ち、幸せを実感し、健康で過ごせるとされているのです。セロトニンが不足すると、怒りやすく、時間が経過してもそれを抑えられなくなり、キレやすくなるようです。
カラダのSOSサイン
腸から発信されるSOSサインを読み取ることで、体の不調や変化に早く気づく事ができるかもしれません。
腸内環境は60歳から衰える?!
腸内環境は年齢とともに変化し、特に60歳を過ぎたあたりから急激に衰えます。原因は腸内細菌にあり、腸内細菌はカラダの中に100兆個ほど存在し、大きく分けて善玉菌、日和見菌、悪玉菌の3つに分類されます。60歳を過ぎると3つの内、悪玉菌が急激に増えカラダのあらゆる場所で問題を引き起こす原因に。代表的な症状は便秘や下痢ですがその他にもむくみや腰痛・肩こり、認知症にも関与するとも言われており、これらの症状が思い当たる方は腸からのSOSかもしれません。
腸が整う生活習慣4選!
腸を整えるためには、普段の生活習慣が大切です。今回は健康な腸を保てる生活習慣をお伝えします。
善玉菌を育てる食生活
腸内環境に大きく影響を与えているのが食生活。腸にとって「正しい食生活」をおくることが大切です。
- 腸内細菌は人が食べたものをエサとして生きており、善玉菌は野菜や果物が好物で、エサを食べてカラダに有益な物質を作り出します
- 悪玉菌は脂質など高カロリーなものを好み、悪い影響を与えるアンモニアやアミン、二次胆汁酸などを生成する原因となります
※夕食は20時までに済ませ、腹8分目にすると消化が活発になります。
座りっぱなしは厳禁!運動&マッサージ
腸の不調の原因の一つとして挙げられるのが運動不足です。座りっぱなしになると運動不足になるため腸内の活動がおろそかになり細菌が繁殖しやすくなります。運動をしていないと腸管の動きが悪くなり、便の滞在時間が長くなります。すると腸が有害物質に触れる時間も長くなり、病気のリスクも高まってしまうのです。
便を押し出す! 骨盤底筋群トレーニング
併せて取り入れたい! 足の付け根の筋肉と腸を刺激するスクワット
マッサージも有効! 腸の「の」の字マッサージ
ぬるめのお風呂で半身浴!
ぬるめのお湯で15分ほど半身浴をすると副交感神経が高まり腸をリラックスさせることが出来ます。高温だと交感神経が高まり疲労が溜まるので注意が必要。入浴中好きな音楽を聴いたり、良い香りの入浴剤を入れたりするとより効果的です。
質の良い睡眠をとりましょう!
睡眠が浅いと疲労回復の妨げになり腸の動きが悪くなります。できれば寝る4時間前には食事を済ませ、毎日決まった時間に6~7時間の睡眠をとるようにしましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
朝起きたら外に出て日光を浴び風を感じましょう! 腸は脳と連結しており、ストレスを感じると腸の不調のリスクが高まります。外に出て日光を浴びたり、風を感じたり自然を感じ脳へのストレスを少なくしましょう。
おわりに
今回は腸に着目した紹介をさせていただきました。もし心身共に不調を感じたら腸を気にかけてみてはいかがでしょうか。腸を整えて心もカラダも健康に。超活動的な毎日を過ごしましょう!
レッツリハ!では、活動的な毎日を送るためのお手伝いをさせていただいています。気になった方はお近くにある桜十字のリハビリジム、レッツリハ!までお問い合わせください!
今回の執筆者は…
レッツリハ! ゆめタウン八代店
理学療法士 山田 剛史