【介護予防コラム㉟】冬場の心筋梗塞・脳卒中に注意!知っておきたい予防の知識

朝晩と冷え込みが強くなってきましたね。寒くなると「心筋梗塞」「脳卒中」という病気が増加することをご存じでしょうか。死亡リスクや後遺症の危険性が高く注意が必要! そこで今回は、心筋梗塞や脳卒中といった病気が冬場に起きやすい理由と対策・予防についてご紹介します。
            

心筋梗塞・脳卒中ってどんな病気?

心筋梗塞や脳卒中は、血管に障害が起きて脳や心臓の組織が死んでしまう病気です。

心筋梗塞

心筋梗塞とは、心臓の筋肉に血液(酸素・栄養)を送る血管の動脈硬化(血管が硬くなった状態)が進んだり、動脈が詰まって心臓の筋肉に血液がいかなくなった結果、心臓の組織が死んでしまった状態を心筋梗塞といいます。

脳卒中

脳卒中とは脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の総称のこと。

・脳の血管が詰まる「脳梗塞」
・脳の細い血管が裂けて脳の組織の中に血腫(血の固まり)をつくる「脳出血」
・脳の動脈瘤が裂けて脳の表面に出血する「くも膜下出血」

脳卒中は寝たきりになる原因の第1位といわれています!

冬に心筋梗塞や脳卒中が多くなるのはなぜ?

なぜ、心筋梗塞や脳卒中は冬に多いのでしょうか?

私たちの身体は寒くなると血管を収縮させて体温が低くならないように自動調整しています。冬は暖かい室内から寒い屋外へ移動する際に血管の収縮を伴う急激な血圧の上昇がみられます。これが「ヒートショック」とも言われ、血圧の急上昇が心筋梗塞や脳卒中を引き起こすといわれています。

心筋梗塞や脳卒中を予防するためのポイント6つ

脳卒中の予防には、生活習慣を改善してリスクをコントロールする「意識づけ」が重要です。これから紹介する6つのポイントを押さえて、普段の生活習慣に取り入れていきましょう!

 

 

①血圧を測る

予防・対策の一つとしてまずは自分の血圧変動を日々知っておくことが重要です。

 

②禁煙

喫煙者は非喫煙者に比べ、心筋梗塞は約2倍、脳梗塞は2.7倍、脳出血は10倍になりやすいといわれています。

 

③節酒

大量のアルコール摂取は血管が収縮し、血圧をあげてしまいます。それ以外にも不整脈、夜間睡眠時無呼吸症などを引き起こすと言われています。週2-3回に減らすなど節酒を心がけてみてください。

 

④食事

和食、魚、野菜、大豆製品は血圧を下げる作用があります。また、減塩も効果的。日本高血圧学会では1日6g未満の食塩摂取量が望ましいと考えられているため、できるだけこの値を意識して気をつけてみてください。

 

⑤運動

適度な運動は血圧を下げる働きがあります。ただし、急激に力を入れるような運動は逆に血圧をあげてしまいます。

オススメは、ウォーキング・水中ウォーキングなど、酸素を取り入れながら行う有酸素運動です。歩きながら会話できるくらいのスピードで1日30分以上、週4-5回行うのが理想的。大切なのは自分のストレスが大きくならない範囲で習慣化すること。

※既に心疾患や脳卒中治療をしている方は、主治医に相談の上、無理のない範囲で運動しましょう。

 

⑥急激な寒暖差を避ける

前述した「ヒートショック」つまり、急激な温度上昇に伴う血圧の変動を可能な限り軽減させることが予防・対策につながります!

  • 暖かい所から寒い所に行くときは、防寒対策を心がけて上着を羽織りましょう。
  • 脱衣所は暖めておきましょう。入浴する際は手や足など心臓より遠い場所から、かけ湯をして体を温めてから浴槽に入るようにしましょう。
  • 熱すぎるお風呂は避け、ぬるめのお湯(38度から40度程度)にゆっくりつかるようにしましょう。

まとめ

今回は、冬に生じることが多いといわれる「心筋梗塞」と「脳卒中」について、その種類や冬場に起こりやすい理由、予防・対策などをご紹介しました。特に危険因子がある方は予防することはもちろんのこと生活習慣を見直し、健康寿命をのばしてイキイキした生活が送れるようにできることから始めていきましょう!

レッツリハ!では、運動を楽しく行うお手伝いをさせていただいています。気になった方はお近くにある桜十字のリハビリジム、レッツリハ!までお問い合わせください!

今回の執筆者は…

レッツリハ!博多駅南
理学療法士 中野 真莉亜

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