【介護予防コラム55】体と水分の関係を知って、適切に脱水症状を予防しよう!
とうとうこの季節がやってきました。みなさま、暑い毎日、汗を流して過ごされていることと思います。
私たちの体は汗をかいて体温を調節しますが、その際に大切な水分も失われています。そうなると怖いのが『脱水症状』。
今回は『脱水症状』の怖さや原因、予防策について解説してまいります。
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脱水症状とは
体中の水分量が減ってしまった状態を脱水と言います。
喉の渇きを覚えた時にはすでに体の水分量が減り、脱水の症状が始まっている状態です。その後、強いのどの渇き、めまい、尿量の減少と症状が進んでいきます。
また、重症化してくると手の震えや言葉が不明瞭になり、呼吸困難など重大な状態に陥っていきます。
体内の水分量
ところで、私たち人間の体にはどれくらいの水分があるかご存じでしょうか?
実は、私たちの体にはたくさんの水分が含まれていて、成人男性では体重の60%、新生児では約80%が「体液」とよばれる水分でできています。 つまり、体重70kgの成人男性ならば、約42リットルもの水分を体内に蓄えていることになります。 まさに人間は水でできているといっても過言ではありません。
年齢を重ねると体内の水分量が減ってくるため、常に体が脱水になりやすい状態になっています。そのため少しでも水分量が減ると脱水の症状が出てくるため注意が必要です。
体に必要な水分量
体内の水分バランスを保つためには、出ていく水分を把握してその分をしっかりと補水していくことで脱水を防ぐことができます。
では、一日に体から出ている水分量はどれくらいあると思いますか?
皮膚や呼吸から蒸発していく水分量が約900ml程度、排泄等は約1600ml程が出ていくことになるので、一日に出ていく量は2500mlになります。
そのため、一日に必要な水分量は2500mlとなりますが、体内で作られる水分や食事から摂取できる水分が300ml、お食事3食でおよそ1000mlが摂取できますので、これらを差し引くと…大体1200mlは最低でも飲み物で摂取する必要があります。汗をかく運動をすれば、その分より多くの水分が必要になります。
しっかりと水分を補えていますか?
水分量チェック
しかしながら、気を付けていてもうっかり水分不足になることがあります。
トイレに行った際に脱水になっていないかご自分でもチェックをすることができますので、ぜひ確認をしてみてください。
水分補給のタイミング
脱水にならないためにも、日常生活の中でこまめに水分補給することが大切であることを、お判りいただけたかと思います。
ただ、体へ吸収される水分量は決まっています。一気に大量に飲んでもトイレが近くなり排泄されてしまいますので、こまめに摂ることをお勧めします。
また、冷たい水ではなく、できるだけ常温や温かいものをこまめに飲む事をおすすめします。そうすることで、体内への吸収率も上がります。
特に意識していただきたいのが、就寝前と起床時です。就寝中は水分をとらない時間が長く続いてしまいます。夏になると就寝中に脱水が起こりやすく、脳梗塞発症のリスクを高めてしまうため注意しましょう。寝る前にコップ1杯のお水を飲む、枕もとに水筒を用意し、目が覚めた時に少し摂取するようにするとよいかと思います。
運動時の水分補給
夏の暑い時期の運動では、たくさんの汗をかきます。運動を行う前にまずコップ1杯以上の水分を摂り、運動中もこまめな水分補給を心がけ、運動後も必ず水分を摂るようにしましょう。
また、血液の中に含まれる電解質成分も汗となって体の中から失われます。
塩分(ナトリウム)は特に多く輩出されるので、運動によってたくさんの汗をかくときは水分とともに塩分の補給も必要となります。塩分の含まれたスポーツドリンクや経口補水液を活用しましょう。
ただ、スポーツドリンクはエネルギー補給を目的とした糖分が多く含まれているものもあるため、減量を目的としている方は摂り過ぎには注意が必要です。
まとめ
高齢者では、喉が渇いたという感覚や汗をかく機能が低下します。
のどが渇いていなくても汗をかいていなくてもこまめな水分補給を心がけましょう。みなさまが健康で安全にお過ごしいただけたらと思います。
レッツリハ!ではこの暑い季節に気を付けたい、脱水症状や熱中症などにならないための運動やアドバイスをお一人おひとりに合わせてご提案いたします。ご家族やご自分だけでの対策に不安や疑問をお持ちの場合は、お近くのレッツリハ!までぜひご相談ください!今年の夏も暑さに負けず、健康に楽しく過ごしましょう!
今回の執筆者は…
Let’s リハ! in the mall 下原店
機能訓練指導員 兼 理学療法士
西見 郁恵