【介護予防コラム57】「転倒予防について今学ぶか、学ばないか」が、今後の生活を左右する!?

来月の1010日は日本転倒予防学会が制定する転倒予防の日。「転倒予防は大切」と聞いても、「転ぶぐらいたいしたことない!」と思う方も多いかもしれません。しかし、転倒した方の8割以上が通院や入院が必要となる怪我をしており、介護をが必要な状態になりやすいといわれております。そこで今回のコラムでは、転倒の恐ろしさ予防法などについて、分かりやすく説明してまいります。

3秒に1人転んでいる!?

  • 65歳以上の高齢者の3人に1人は、1年間に1回以上転倒すると言われております。
  • 2021年時点で、我が国の高齢者人口が3,640万人と仮定すると、1,213万人が1年間に1回以上転倒を経験することになります。
  • 転倒した人のうち、約5%に骨折が認められると言われておりますので、1年間では61万人ほどとなります。

上記の情報から計算すると、高齢者において、約3秒に1人が転倒し、
1分間に1人以上が骨折していると言われております。

転倒・骨折は要介護に関連!?

転倒・骨折は認知症や脳血管障害と並び、主要な要介護要因になっております。

男性と女性で比較した場合、男性で多く割合を占めるのは脳血管障害ですが、女性では転倒・骨折が認知症に次ぐ2番目に多くなっております。

転倒を引き起こす要因

転倒はバランス能力や筋力低下などによって引き起こされるイメージが強いかと思われますが、それだけではなく、下記のような多くの要因が関わり重なることなどによって引き起こされます。

転倒による負の循環

転倒をしてしまうと、生活上において多くの制限が生まれてきます。そのような制限の中で生活していると、巡り巡って再度転倒することにつながる、負の循環が生まれてしまうのです。

転倒の危険性評価

◎転倒リスクをチェック!

現在、自分自身が転倒する危険性が高いのかどうか、転倒リスクチェックシートにて確認してみましょう!

 

◎椅子からの立ち上がりで脚の機能チェック

自宅で出来る運動療法

《注意点》
食後30分は運動を控えましょう。
・運動は「ややきつい」程度で行いましょう。
・無理はせず体調が優れない場合はお休みしましょう。
・最初と最後の深呼吸は忘れずに行いましょう。
・運動中は息を止めず、息を吐きながら行いましょう。
・膝や腰に痛みがある場合は無理せずに行いましょう。

椅子からの立ち座り運動

立ち上がり運動で、太ももの筋肉を強化しましょう。歩きはもちろんのこと階段など段差昇降時に大切な筋肉になります。

片脚立ち運動

立ったまま靴下や靴の着脱が難しくなるとバランス能力低下のサインです。片脚立ち運動でバランス能力向上を図りましょう。

語想起運動(頭と体を使った運動)

  • 足踏み
    椅子に座り足踏みを行いながら、5~10秒間言葉を発しましょう。
    ※語想起とはことばを思い起こし、発することです。

  • 散歩
    歩きながら行い、5~10秒間言葉を発しましょう。

 

「転ばぬ先の杖」から始める転倒予防

転倒は自宅内で発生することが最も多いです。

転倒の恐れがある場所を思い浮かべると、玄関、階段、滑りやすい浴室が真っ先に思い付いたのではないでしょうか?実は、自宅内において最も転倒するケースが多いのは、日常生活で一番時間を過ごす居間なのです。

上記のような環境で、で多くの転倒が生まれております。このような転倒を未然に防ぐためには、身の回りの整理整頓が大切になります。整理整頓、躓きやすそうなものがないか、確認してみましょう。

今から準備できる!転倒予防グッズ

◎杖・歩行器

「支えが必要」となってからではなく、「支えがあった方が安心かな」くらいの状態から、杖や歩行器など導入を考えるようにしましょう。杖や歩行器は、様々な人が使用するため、たくさんの種類があります。安心して外出が出来ると思える、自分に合ったものを選ぶのがおすすめです。

◎手すり・椅子

階段や椅子からの立ち上がりに、不安感を持つ方は多くいらっしゃいます。手すりや安定した椅子の導入もご検討ください。

◎靴・靴下

ご自身のサイズに合った適切な靴を選ぶようにしましょう。自宅内でも滑ることもあるので、滑りにくい靴下を履くのもおすすめです。(足先の冷え予防にも!)

まとめ

今回のコラムで、転倒の恐ろしさを改めて知っていただけましたでしょうか?日常生活を過ごすうえで、どんなに気を付けていても転んでしまうことはあります。もしものときのために、支えや杖の導入などの転倒予防を、ぜひ今のうちにご検討ください。

レッツリハ!では、転倒予防に詳しいスタッフが多く在籍しています。杖や歩行器、靴のサイズ感など、困ったことがありましたらお近くの桜十字のリハビリジム、レッツリハ!までお問い合わせください!

今回の執筆者は…

Let’s リハ! 谷中言問
理学療法士
小野 雄大

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